「鏡を見るたびに、顔のベタつきやテカリが気になる…」――そんな風に感じることはありませんか。
顔の皮脂は、汗と混ざり合って皮脂膜を形成し、肌からの水分蒸散を抑えたり、外部刺激から肌を守ったりするバリア機能があり、美しい肌を保つために欠かせない存在です。
しかし、何らかの原因で皮脂が過剰に分泌されてしまうと、ベタつきやテカリ、化粧崩れといった肌悩みにつながることがあります。
本記事では、皮脂が持つ役割や分泌量が増える根本的な原因、そして皮脂の過剰分泌によって起こる様々な肌状態についてまとめました。
顔の皮脂バランスを整えるための具体的なケア方法も紹介するため、日々のスキンケアを見直すきっかけになれば幸いです。

監修者:水上 高秀
日本形成外科学会認定 形成外科専門医・指導医
水上形成外科 美容クリニック院長
1998年静岡県立富士高等学校卒業
2005年大阪市立大学医学部医学科卒業
2005年大阪府済生会泉尾病院 初期臨床研修医
2007年浜松医科大学医学部付属病院 形成外科
2010年愛知県がんセンター中央病院 形成外科
2012年浜松医科大学医学部付属病院 形成外科 診療助教
2018年磐田市立総合病院形成外科 部長
2020年松尾形成外科・眼瞼クリニック 副院長
2022年八事石坂クリニック 東京院 副院長
2024年水上形成外科 美容クリニック 院長
静岡県浜松市で形成外科・美容外科・美容皮膚科のクリニックを開院しております。
丁寧な診察・カウンセリング・治療・アフターフォローを心がけ、患者様が安心して通える体制を完備しております。
水上形成外科 美容クリニック:https://mizukami-keisei-clinic.com/
※本記事には商品紹介の項目が含まれますが、医師が特定の商品を推奨するわけではありません。
顔の皮脂とは?

顔の皮脂とは、皮膚にある皮脂腺から分泌される油分のことです。
皮脂は絶えず分泌されており、肌の表面に薄い油膜をつくり、外部刺激から肌を守る重要な役割を担っています。
特に顔の皮脂腺は身体のほかの部分と比べて発達していて、数も多く密集しているのが特徴です。
顔は皮脂の分泌が活発なため、日々のスキンケアで丁寧に整えてあげることが大切です。
顔の皮脂の役割
皮脂は肌をすこやかに保つために欠かせない存在で、大きく分けて以下3つの役割があります。
皮脂の役割
このように、皮脂は顔だけでなく全身の肌にとっても重要な働きをしています。
しかし、分泌のバランスが崩れると、肌荒れ・乾燥・赤みなどの肌トラブルを引き起こすことがあります。
顔の皮脂が増える原因

顔の皮脂が過剰に分泌されると、テカリやベタつき、ニキビなど様々な肌トラブルを引き起こす原因となります。適切にケアするためには、まず皮脂分泌が増える原因を知ることが大切です。
皮脂の過剰分泌にはいくつかの要因があり、日常生活のなかに潜んでいることも少なくありません。以下で、顔の皮脂が増えてしまう主な原因を詳しく確認しましょう。
顔の皮脂が増える原因①乾燥
肌の乾燥は、皮脂が過剰に分泌される原因のひとつです。
肌の角質層には、肌内部の水分を保持し外部刺激から守るバリア機能が備わっています。しかし、乾燥するとこのバリア機能が弱まり、肌は自らを守ろうとして皮脂を多く分泌し、表面に皮脂膜をつくろうとするのです。
これは、洗顔後や冬の乾燥した環境などで起こりやすく、「乾燥しているのにテカる」という矛盾したような状態を生み出すことがあります。
顔の皮脂が増える原因②ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、皮脂が過剰に分泌される要因のひとつです。
ホルモンバランスが崩れる主な理由としては、以下のようなものがあります。
不規則な生活
睡眠不足
過度なダイエット など
また、女性の場合は、生理前に女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが増える時期があります。
プロゲステロンには皮脂の分泌を促す働きがあるため、生理前は肌がテカりやすく、ベタつきを感じやすくなることが多いでしょう。
顔の皮脂が増える原因③ストレス
ストレスもホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌につながる原因です。
人の身体には、ストレスを感じても正常な状態に戻そうとする機能(ホメオスタシス)が備わっています。しかし、強いストレスが長く続くと、この調整機能が弱まってしまうのです。
特に、ホルモン分泌を調整する機能が弱まると、体内のホルモンバランスが大きく乱れてしまいます。その結果、男性ホルモンが増加し、皮脂が過剰に分泌されるようになります。
顔の皮脂が増える原因④油分の多い食事
高脂質・高カロリーの食事が多くなることも、顔の皮脂が増える原因のひとつです。
これは、高脂質・高カロリーの食事に多く含まれる動物性脂肪や糖質が、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促してしまうためです。
高脂質・高カロリーな食品例
チョコレート
クッキー
ポテトチップスなどの揚げもの
バター など
そのほか、カフェインや香辛料など刺激の強い食べものも、皮脂腺を活発化させて過剰分泌を招くことがあるため、摂り過ぎには注意が必要です。
顔の皮脂が増える原因⑤外部環境による刺激
皮脂の分泌量は季節によって変化し、特に夏は多くなる傾向があります。高温多湿の環境が皮脂腺を刺激し、働きを活発化させるためです。
また、夏の強い紫外線も皮脂分泌を促す要因です。紫外線は皮脂腺を刺激するだけでなく、分泌された皮脂を酸化させてしまう性質も持っています。
酸化した皮脂は肌トラブル※を悪化させる原因になるため、夏場は特に注意が必要です。日焼け止めや帽子・日傘などで紫外線ケアを心がけましょう。
※肌荒れ、乾燥、赤み
顔の皮脂が増える原因⑥肌に合わないスキンケア
自分の肌に合わないスキンケアは、かえって皮脂を過剰に分泌させる原因となります。
例えば、皮脂を落とそうと洗浄力の強い洗顔料を頻繁に使ったり、ゴシゴシ擦って洗顔したりすると、必要な皮脂まで取り除いてしまい、肌を傷める原因になります。その結果、肌は自分を守ろうとして余計に皮脂を分泌するという、悪循環につながってしまうのです。
また、保湿を疎かにしたり、肌質に合わない化粧品を使い続けたりすることも、同じように皮脂トラブルを引き起こす可能性があります。今の自分の肌状態をしっかり把握し、適切なスキンケアを選ぶことが大切です。
顔の皮脂が原因で起きがちな肌悩み

肌が以下のような状態になっている場合は、皮脂分泌の乱れが起きているかもしれません。
これらの肌悩みは皮脂の過剰分泌と密接に関わっているため、原因を理解して適切なケアを行うことが重要です。以下では詳しく解説します。
テカリ・化粧崩れ
顔のテカリや化粧崩れは、皮脂が多く分泌されることで起こりやすい肌状態のひとつです。
化粧後に出た皮脂が少しずつ広がると次第に化粧の明るさが失われ、顔全体がくすんだ印象になります。
さらに、皮脂が増えると、化粧の上に皮脂が広がり、マットな仕上がりから不自然な光沢に変わってしまいます。これが「テカリ」と呼ばれる状態です。
皮脂の分泌がさらに進むと、化粧が崩れて色ムラやヨレが起こりやすくなるでしょう。朝のメイクを長時間美しく保つには、皮脂のケアが欠かせません。
ベタつき
顔の皮脂が増えると、肌表面にベタつきを感じやすくなります。特に、一日中ベタつきが気になる方は、水分も油分も多い「脂性肌」タイプの可能性があるでしょう。
ベタつきは不快に感じやすく、多くの人は過剰に洗顔して解決しようとしがちです。しかし、ゴシゴシ強く洗ったり、乳液やクリームを使わなかったりすると、肌のバリア機能が弱まってしまいます。
その結果、肌を守ろうとして皮脂がさらに分泌され、悪循環につながってしまいます。ベタつきが気になる時こそ、やさしく丁寧な洗顔と適度な保湿を心がけることが大切です。
ニキビ・吹き出もの
皮脂が多く分泌されて毛穴の出口が詰まると、毛穴のなかで皮脂がたまって吹き出ものやニキビになります。特に、額や鼻筋などの「Tゾーン」は、毛穴が大きく皮脂の分泌が多いため、ニキビや吹き出ものができやすい部位です。
ニキビを治そうと洗顔をしすぎたり、自分でつぶしてしまったりすると、かえって肌状態を悪化させてしまいます。
また、マスクや前髪が肌に触れる摩擦もダメージとなり、ニキビを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
顔の皮脂ケアでやってしまいがちなNG行為

肌に良かれと思って行っているケアでも、実はあまり良くない可能性があります。以下は、肌にダメージを与え、皮脂トラブルを悪化させる原因になる間違ったケアの一例です。
洗顔のしすぎ・擦りすぎ
あぶら取り紙の多用
スクラブ・ピーリングのしすぎ
これらの行為は皮脂や汚れを取り除く効果がある一方で、やりすぎると肌のバリア機能を弱め、かえって皮脂の過剰分泌を招いてしまいます。
洗顔は1日2回程度にとどめ、あぶら取り紙も必要以上に使わないよう、注意が必要です。スクラブやピーリングも週に1〜2回程度の使用がおすすめです。
メーカーが推奨する使用頻度を参考に、自分の肌状態と相談してケアを行いましょう。
顔の過剰な皮脂をケアする方法

顔の過剰な皮脂をケアするには、毎日の積み重ねが大切です。一時的な対処ではなく、根本的な皮脂バランスを整えることで、すこやかな肌を目指しましょう。
以下では、効果的な皮脂ケア方法を詳しく紹介します。
肌に寄り添った適切なスキンケアを行う
皮脂量を正常に保つには、肌に寄り添った適切なスキンケア方法を知り、継続して実践することが大切です。
皮脂バランスを整えるためにおすすめのスキンケア方法を「クレンジング」「洗顔」「保湿」「紫外線ケア」のそれぞれで紹介します。
クレンジングのポイント
クレンジングは、やさしく丁寧に行うことが大切です。指先をくるくると滑らせながら、肌を撫でるようになじませましょう。
クレンジングは単に「メイクを落とす」だけではなく、摩擦や乾燥を減らすという意識を持つと良いでしょう。肌を労わる習慣は、肌のバリア機能を守ることにもつながります。
クレンジングアイテムは、洗浄力が強すぎず、かつ肌に摩擦を起こしにくいものがおすすめです。例えば、ジェルタイプやクリームタイプのクレンジングは、肌との摩擦を軽減しながらメイクをしっかり落としてくれるでしょう。
毎日の習慣だからこそ、無意識の手の動きを見直し、肌を労わる丁寧なクレンジングを心がけることが、皮脂バランスを整えることにつながります。
洗顔のポイント
洗顔は過剰に行わず、朝晩2回の頻度を目安にすることが基本です。
皮脂が気になるからといって一日に何度も洗顔すると、必要な皮脂まで取り除いてしまい、かえって皮脂の過剰分泌を招く原因になります。
洗顔時はよく泡立てて、指の腹でやさしく洗うことを心がけましょう。擦りすぎないことが最も重要なポイントです。泡のクッション効果を利用して、肌に直接指が触れないように意識して洗うと良いでしょう。
なお、運動の後や汗をかいた時などは、洗顔料を使わず水やぬるま湯で軽く洗い流すだけでも十分なことがあります。肌状態に合わせて、洗顔の頻度や方法を工夫することが、皮脂バランスを整えるポイントです。
保湿のポイント
保湿は、洗顔後すぐに行うことが大切です。洗顔後の肌は水分が蒸発しやすい状態にあるため、できるだけ早めのケアを心がけてください。
化粧水を使って肌にしっかりうるおいを与えたら、その後は乳液やクリームでフタをして水分が蒸発しないように守ってあげましょう。これが基本的な保湿の流れです。
脂性肌の方は「ベタつくから保湿は控えめにしたほうがいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、適切な保湿は皮脂バランスを整えるために欠かせないポイントです。乳液の量を控えめにしたり、油分の少ない軽いテクスチャのアイテムを選んだりすると良いでしょう。
紫外線ケアのポイント
紫外線は皮脂を酸化させ、ニキビなどの肌トラブル※を悪化させる原因になります。日焼け止めや日焼け止め効果のある化粧下地を取り入れて、肌を紫外線から守りましょう。
SPFやPAの数値を参考にして、日常使いには適度なものを選ぶのがおすすめです。日焼け止めだけに頼らず、日傘や帽子などを併用すると、より効果的でしょう。
※肌荒れ、乾燥、赤み
SPFやPAの数値をはじめ、日焼け止めの選び方や塗り方、適切な落とし方を知りたい方は以下の記事も併せて参考にしてみてください。
▷関連記事:日焼け止めの選び方を徹底解説!PAとSPFの違いから効果的な使い方まで基本を紹介
▷関連記事:日焼け止めの塗り方を見直して美白※な肌へ!NGな塗り方から塗り直しの方法まで紹介
▷関連記事:日焼け止めの適切な落とし方とは?タイプ別のクレンジング方法や注意点を詳しく解説
食事や睡眠など生活習慣を整える
偏った食事は皮脂の過剰分泌を促してしまうため、バランスの良い食事を心がけ、外からの油分吸収を控えることが大切です。
以下は、皮脂バランスを整えるのにおすすめの栄養素と食べものの例です。
また、睡眠不足もホルモンバランスの乱れを引き起こし、皮脂の過剰分泌を引き起こす原因になります。十分な睡眠を心がけましょう。
まとめ:顔の皮脂をケアしてすこやかな肌に整えよう
顔の皮脂の過剰分泌は、食事などの「外的要因」とホルモンバランスなどの「内的要因」が合わさって起こります。
皮脂は本来肌を守る大切な役割を担っていますが、分泌量が乱れるとテカリやベタつき、ニキビなど様々な肌トラブルを引き起こしてしまいます。
これらの肌トラブル※を起こさないためにも、規則正しい生活リズムと適切なスキンケアを心がけて、顔のテカリやベタつきを予防することが大切です。
生活習慣と毎日のスキンケアを見直して、すこやかな肌を目指しましょう。
※肌荒れ、乾燥、赤み
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Customer Reviews(お客様の声)
30代/定期便4ヶ月利用
★★★★★
ピタっと
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2025.07.03
30代/定期便10ヶ月利用
★★★★★
感動しました!
正直なところそこまで期待していなかったのですが使ってみるとびっくり!オイルとジェルの良いとこどりとは、このことですね!クレンジング迷子でしたがコレに決めました。
2025.06.19
50代/定期便2年利用
★★★★★
洗いあがり
メイク落ちがしっかり、だけど、しっとり。これからも使い続けたいです。
2025.06.08
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Customer Reviews(お客様の声)
30代/定期便4ヶ月利用
★★★★★
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2025.06.19
40代/定期便5ヶ月利用
★★★★★
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2025.05.20
40代/定期便11ヶ月利用
★★★★★
くすみ
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2025.05.16












