薄肌とは？特徴や起こる原因、意識したいスキンケア・生活習慣のポイントを解説

「些細な刺激で肌が赤くなる…」「ファンデーションが上手くのらない…」――そんな肌の状態に、心当たりはありませんか。

もしかすると、それは「薄肌」と呼ばれる状態かもしれません。薄肌とは、肌本来のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなっている状態を指します。

本記事では、薄肌の特徴や原因、薄肌の方が意識したいスキンケア・生活習慣のポイントを解説します。

自分の肌を知り、日々のスキンケアを見直すきっかけになれば幸いです。

監修者：伊藤 蘭

いとうらんクリニック四条烏丸院長 形成外科専門医

大学卒業後は、京都大学附属病院形成外科で研鑽を積む。2022年に京都の四条烏丸でいとうらんクリニック四条烏丸を開設。皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科を提供している。

いとうらんクリニック四条烏丸 ドクター紹介：https://ran-clinic.kyoto/doctor/

※本記事には商品紹介の項目が含まれますが、医師が特定の商品を推奨するわけではありません。

薄肌とは?

薄肌とは、肌の最も外側にある角質層が薄く、肌をすこやかに保つためのバリア機能が低下している状態を指します。

角質層は本来、紫外線・ホコリ・乾燥などの外的刺激から肌を守る役割を担っています。しかし、この層が薄くなると水分が蒸発しやすくなり、わずかな刺激でも赤みやかゆみなどの肌トラブル※が起こりやすくなります。

そのため、薄肌は乾燥や敏感肌の一因にもなりやすく、日々のスキンケアでは、バリア機能を補うケアを心がけることが大切です。

※肌荒れ、乾燥、赤み

薄肌の方の肌の特徴

薄肌の方の肌には、いくつかの共通した特徴があります。

見た目では透明感があるように感じられますが、その反面、刺激に対して敏感で肌トラブル※が起きやすい傾向にあります。

薄肌の方の特徴は、以下の通りです。

※肌荒れ、乾燥、赤み

薄肌の方の肌の特徴①角質層が薄い

薄肌の方に多く見られる特徴のひとつは、肌の最も外側にある角質層が薄いことです。

角質層は外部刺激から肌を守り、内部の水分を保持する役割を担いますが、この層が薄くなるとバリア機能が十分に働かず、肌が刺激を直接受けやすくなってしまいます。

その結果、わずかな摩擦や乾燥、紫外線でも赤みやかゆみが生じ、肌の水分量が低下し、乾燥しやすい状態になります。

すこやかな肌を保つためには、角質層の機能を補い、バリア機能を整える意識が大切です。

薄肌の方の肌の特徴②乾燥しやすくハリ不足になりやすい

薄肌の方は、肌を守るバリア機能が低下しているため、肌内部の水分量が低下し、慢性的に乾燥しやすい傾向があります。

乾燥が続くと、肌表面のキメが乱れ、なめらかさや透明感も失われやすくなるでしょう。

さらに、うるおい不足の状態では、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンが十分に働かず、弾力が低下します。その結果、肌がしぼんだように見えたり、メイクのノリが悪くなったりすることもあります。

乾燥を放置せず、うるおいを守るケアを毎日の習慣にしていくことが大切です。

薄肌の方の肌の特徴③外部刺激の影響を受けやすい

薄肌の方は、肌を外部刺激から守るバリア機能が低下しているため、デリケートな状態です。

その結果、紫外線や花粉、乾燥などが肌の内部へ侵入・影響しやすく、肌トラブル※を起こすリスクが高まります。

すこやかな肌であれば問題にならない程度の刺激でも、薄肌の場合は赤みや炎症、かゆみを引き起こすことがあるでしょう。

こうした状態が続くと、慢性的な敏感肌へとつながる恐れもあります。

※肌荒れ、乾燥、赤み

薄肌の方の肌の特徴④しわが目立ちやすい

薄肌の方は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンの働きが低下しやすく、しわが目立ちやすい傾向があります。

水分量が不足するとコラーゲンやエラスチンが十分に機能せず、肌の土台が弱まりやすくなり、結果として、表情の変化によるわずかな動きでも肌にしわとして残りやすくなります。

年齢を重ねるほどこの傾向は強まりやすいため、うるおいとハリを保つケアを意識的に取り入れることが重要です。

薄肌が起こる原因

薄肌は、もともとの体質だけでなく、スキンケアや生活習慣によっても引き起こされます。

薄肌が起こる原因としては、主に以下が挙げられます。

薄肌が起こる原因①紫外線や乾燥によるダメージ

薄肌を引き起こす外的要因のひとつは、紫外線や乾燥によるダメージです。

乾燥は肌内部の水分を奪い、バリア機能を低下させることで薄肌を悪化させる要因になります。

薄肌が起こる原因②過度なスキンケアによる摩擦

スキンケアによる過度な摩擦は、薄肌を悪化させる原因のひとつです。

クレンジングや洗顔の際にゴシゴシ力を入れて洗ったり、化粧水やクリームを強くパッティングしたりすると、肌表面の角質層が傷つきやすくなります。

角質層はバリア機能を支える重要な部分であり、この層が損なわれると肌が外的刺激に弱くなるでしょう。

摩擦の蓄積によって角質層の厚みが保てなくなると、薄肌が進行しやすくなります。

薄肌が起こる原因③バリア機能低下

薄肌を引き起こす要因のひとつに、水分量の不足によるバリア機能の低下があります。

肌内部の水分を保つセラミドなどの成分が減少し、肌の乾燥が進んだり肌の代謝（ターンオーバー）のサイクルが遅くなったりすると、古い角質が肌表面に残りやすくなります。

その結果、肌が本来持つ防御力が弱まり、外部刺激を受けやすい状態に変化します。

薄肌が起こる原因④生活習慣の乱れやストレス

睡眠不足・偏った食生活・過度なストレスといった生活習慣の乱れも、薄肌を招く要因です。

不規則な生活が続くと、肌の代謝（ターンオーバー）のサイクルが乱れ、細胞の再生力が低下してしまいます。

また、強い精神的ストレスは、自律神経やホルモンバランスを崩し、血行不良を招くことで肌の再生が妨げられてしまいます。そのほか、血行が悪化すると、肌に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなり、バリア機能の低下を引き起こします。

薄肌の方が意識したい「スキンケア」のポイント

薄肌の方は、外部からの刺激を受けやすく、わずかな摩擦や乾燥でも肌トラブル※が起こりやすい傾向があります。

そのため、スキンケアでは肌への負担を最小限に抑えることが大切です。

薄肌の方が意識したいスキンケアのポイントは、以下の通りです。

※肌荒れ、乾燥、赤み

低刺激なクレンジングを選ぶ

薄肌の方は、肌のバリア機能が低下しているため、クレンジング選びに注意が必要です。

洗浄力が強すぎるアイテムを使うと、肌を守る角質層が傷つき、薄肌をさらに悪化させてしまいます。負担を抑えるためには、肌になじみやすく摩擦が少ないタイプを選ぶと良いでしょう。例えば、クリームタイプやジェルタイプなどがおすすめです。

また、刺激になりやすい成分を避け、シンプルな処方のアイテムを選ぶことも重要です。

特に、以下の成分が含まれていないアイテムを選ぶことをおすすめします。

クレンジングは毎日使うアイテムであるため、肌に負担をかけないよう心がけましょう。

やさしく洗顔する

肌のバリア機能は、洗顔時の摩擦が強いと低下してしまう恐れがあるため、やさしく洗うことが大切です。

まずは洗顔料を十分に泡立てて、きめ細やかな泡をつくりましょう。

泡をクッションのように使い、直接肌に指が触れないよう泡の上から転がすようにやさしく洗うことがポイントです。

すすぐ時は、肌への負担を減らすために熱すぎるお湯や冷たすぎる水は避け、自分が心地良いと感じる程度のぬるま湯がおすすめです。

洗顔後はタオルで擦らず、やわらかいタオルを顔にそっと当て、水分を吸い取りましょう。

保湿を重視したスキンケアを取り入れる

薄肌の方が最も意識したいのは、徹底した保湿ケアです。

薄肌は水分量が低下しやすいため、肌内部の水分量を保つことを意識しましょう。

保湿の基本は、「水分を補うこと」と「うるおいを閉じ込めること」の2つです。肌のうるおいを支える成分として、以下が配合されたアイテムを取り入れると良いでしょう。

化粧水でしっかり水分を与えた後は、乳液やクリームでうるおいにフタをすることが大切です。

紫外線ケアを徹底する

薄肌は、紫外線や光の影響を受けやすく、ダメージが蓄積しやすい状態です。

紫外線は肌のバリア機能を破壊し、薄肌を進行させる原因となります。そのため、季節や天候を問わず、一年を通して紫外線ケアを徹底することが大切です。

日焼け止めは、ミルクタイプやローションタイプなどの低刺激なものを選び、ムラなく塗りましょう。

さらに、帽子や日傘、サングラスなどのアイテムを併用した対策も効果的です。

薄肌の方が意識したい「生活習慣」のポイント

薄肌のケアでは、スキンケアと同じくらい生活習慣の見直しも重要です。丁寧なスキンケアをしても、日常生活の乱れが続けば肌のすこやかさを保つことは難しいでしょう。

薄肌の方は、以下の生活習慣を意識してみてください。

十分な睡眠を取る

肌の代謝（ターンオーバー）は、主に睡眠中に活発に行われます。

特に、肌の細胞が再生されやすいのは、入眠から2〜3時間ほど経った深い睡眠中だといわれています。

睡眠が不足すると、肌の再生に必要な成長ホルモンの分泌が減少し、肌の代謝（ターンオーバー）のリズムが乱れてしまいます。その結果、古い角質が肌に残りやすくなり、バリア機能の低下を招く要因となります。

毎日、規則的な睡眠をとれるよう、心がけてみてください。

バランスの良い食事を意識する

肌は、毎日の食事からつくられるため、栄養バランスの取れた食事を意識することも重要なポイントです。

肌の主な材料となるタンパク質や、代謝をサポートするビタミン・ミネラルが不足すると、肌の再生能力が低下してしまいます。

特に、コラーゲンの生成を助けるビタミンCや、新陳代謝を促すビタミンB群は、積極的に摂取したい栄養素です。

食事の内容を見直すことで、肌の内側からうるおいとハリを育てられるようになります。日々の食生活を整え、すこやかな肌づくりを心がけていきましょう。

適度な運動を心がける

薄肌のケアには、適度な運動を取り入れることも効果的です。

運動によって血行が促進されると、肌の細胞まで酸素や栄養が行き渡り、代謝（ターンオーバー）が活発になります。

さらに、運動はストレスの緩和にもつながり、肌荒れやバリア機能の低下を防ぐ働きが期待できます。

運動が苦手な方は、ウォーキングやストレッチとなど軽い運動から取り入れてみましょう。

まとめ：薄肌のケアを習慣化して自信あふれる素肌を手に入れよう

薄肌を整えるためには、毎日のスキンケアを丁寧に行うことが大切です。

薄肌は、角質層が薄く外的刺激を受けやすいため、保湿と紫外線対策を中心にケアすることを習慣化しましょう。また、薄肌のケアには、十分な睡眠やバランスの取れた食事を意識すること、内側から肌環境を整えることも欠かせません。

大切なのは、肌と心のどちらも無理なく整える意識を持ち続けることです。毎日の小さな積み重ねを大切にし、自信をもって素肌を輝かせていきましょう。

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