「皮脂腺という言葉は聞いたことがあるけれど、どんなはたらきをしているのだろう」と気になったことはありませんか。皮脂の悩みを考えるうえで、皮脂腺のしくみを知っておくと、ケアの選び方が見えてきます。
本記事では、皮脂腺の基本的なはたらきと分布、分泌量が変わる理由、肌をととのえるケアの考え方を解説します。

監修者:藤堂 紗織
■略歴
平成15年 日本医科大学 卒業
平成16年 日本医科大学附属武蔵小杉病院 研修医/内科 専修医
平成21年~31年 善仁会丸子クリニック 院長勤務
令和元年5月~ Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
■資格・所属学会
日本内科学会認定内科医
日本透析医学会、日本腎臓学会
点滴療法研究会
日本美容皮膚科学会
Alohaさおり自由が丘クリニック:https://aloha-saori-jiyugaoka-cl.jp/
※本記事には商品紹介の項目が含まれますが、医師が特定の商品を推奨するわけではありません。
皮脂腺とは
皮脂腺とは、皮膚の内部にあり、皮脂をつくって分泌する器官です。多くは毛穴(毛包)につながっていて、つくられた皮脂は毛穴を通って肌の表面に届きます。
皮脂は汗と混ざり合って皮脂膜となり、水分の蒸発をおさえながら、外部刺激から肌をまもるはたらきを担っています。
皮脂腺が多い部位
皮脂腺の分布は全身で均一ではありません。多い部位ほど、テカリや毛穴の目立ちが気になりやすくなります。
額・眉間
鼻・小鼻
あご
頭皮
背中の中央
胸元
一方で、目のまわりや口もとは皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位です。同じ顔の中でも状態が違うため、部位に合わせてケアを変えると心地良く過ごせます。
皮脂腺のはたらきが変化する理由

ホルモンバランス
皮脂腺のはたらきは男性ホルモンの影響を受けます。思春期に皮脂が増えやすいのは、この影響が大きいと考えられています。生理周期による変動を感じる方もいます。
年齢
年齢を重ねると皮脂の分泌量はおだやかに減っていく傾向があります。若い頃と同じケアを続けていると、つっぱりを感じることがあります。
季節・気温
気温や湿度が高い時期は皮脂の分泌が活発になりやすく、冬は減りやすい傾向があります。
生活習慣
睡眠不足やストレス、脂質・糖質に偏った食事なども皮脂バランスに影響するといわれています。
スキンケアの方法
洗いすぎると必要な皮脂まで奪われ、うるおいを守ろうとして皮脂が増えることがあります。
皮脂の量に合わせたスキンケア

皮脂が多いと感じるとき
洗顔は朝晩の1日2回、ぬるま湯でやさしく行う
泡で包み込むように洗い、こすらない
化粧水で水分を補い、軽い乳液で仕上げる
ナイアシンアミドやビタミンC誘導体を取り入れる
皮脂が少ないと感じるとき
洗浄力のマイルドな洗顔料を選ぶ
洗顔後はすぐに保湿する
乳液やクリームで油分をおだやかに補う
セラミドやヒアルロン酸でうるおいを保つ
部位ごとに変える
皮脂腺のはたらきをととのえる生活習慣
睡眠時間を確保する
ビタミンB群を含む食品を取り入れる
脂質と糖質に偏らない食事を意識する
汗をかいたらこすらずに押さえて拭く
ストレスをためこまない工夫をする
皮脂腺と毛穴・汗腺の違い
肌には皮脂腺のほかにも、汗を出す汗腺があります。それぞれの違いを知っておくと、肌の状態を理解しやすくなります。
皮脂と汗が混ざり合うことで皮脂膜がつくられます。つまり、どちらも肌の表面をととのえるうえで欠かせないものです。汗をかいたあとに肌がベタつくのは、皮脂と汗が混ざった状態が続いているためと考えられます。
皮脂腺のはたらきと肌悩みの関係
毛穴の目立ち
皮脂の分泌が多い部位では、毛穴の出口が広がって見えやすくなります。鼻や額で毛穴が気になりやすいのは、皮脂腺が多いことが関係しています。
テカリ・メイクくずれ
皮脂が多く出ると、日中のテカリやメイクくずれにつながります。取り去るのではなく、保湿でバランスをととのえる意識が役立ちます。
肌荒れ
毛穴に皮脂や角質がたまると、肌が荒れやすくなることがあります。やさしい洗顔とていねいなすすぎで、ためこまないようにしましょう。
乾燥・つっぱり
皮脂の分泌が少ない部位や年齢による変化では、乾燥やつっぱりを感じやすくなります。油分をおだやかに補うケアに切り替えてみてください。
皮脂腺に関するよくある質問
皮脂腺の数は増えたり減ったりしますか?
皮脂腺の数そのものは大きく変わるものではないと考えられています。感じ方が変わるのは、分泌される皮脂の量が変化するためです。
皮脂腺のはたらきをおさえることはできますか?
スキンケアで皮脂腺そのものを変えることはできません。洗いすぎを避け、うるおいを保つことで、皮脂のバランスをととのえていくという考え方が現実的です。
頭皮の皮脂腺が多いと聞きました
頭皮は顔よりも皮脂腺が多い部分といわれています。だからこそ、ていねいに洗って早めに乾かすことが、すこやかな状態を保つポイントになります。
皮脂が少ないほうが肌に良いのでしょうか?
皮脂が少なすぎると、水分が蒸発しやすくなり、外部刺激にも弱くなります。多すぎず少なすぎない状態を目指しましょう。
まとめ:皮脂腺のしくみを知ってケアを選びましょう

皮脂腺は皮脂をつくり、肌の表面をまもるために欠かせない器官です。
皮脂腺は毛穴につながり、皮脂をつくって分泌する
Tゾーンや頭皮など、部位によって数が異なる
ホルモン・年齢・季節・生活習慣で分泌量が変化する
皮脂が多いときも保湿を省かない
部位ごとにケアを調整するとバランスがととのう
自分の肌の状態を知って、心地良いケアを選んでいきましょう。






